冬至とクリスマスとラジオ

とむさん

2015年12月24日 17:42

さて12月もいよいよ終盤、今年も押し迫ってきましたねえ。
いまごろは一年の中でも大きなイベントが続く時期です。
まず一昨日の22日が冬至でした。そして、はい、今夜がクリスマスイブですね。でもって、もう一週間もすれば大晦日、そしてお正月と続いていきます。

この「いまごろの時期」とは、ざっくり言って「冬至のころ」とも言えます。
(じっさい、22日が冬至でしたが、季節を24等分する二十四節気で言うと、1月4日までが「冬至という期間」です)

冬至とは、みなさんご存知のとおり「一年でいちばん昼が短い日」。
これは同時に「太陽の高さが一年でもっとも低くなる日」でもあります。
その結果日ざしが弱くなる、これが、冬が寒い理由の一つです。

そして、冬至を過ぎれば、だんだん昼が長く、太陽も高くなっていく。
これを毎年繰り返しているわけです。

どうしてこういう現象が起こるのか、というと、地球の自転軸が太陽に対して(公転面にたいして)少し傾いているから、なんですね。
ややこしいところに入り込むのはやめておきますが、とにかく、原理はハッキリしていますし、次回の冬至がいつになるかも計算できます。

けれど、そんな仕組みがわかっていなかったころ、大昔のことを想像してみてください。

太陽が日に日に低くなっていく、どんどん日ざしが弱くなっていくんです。
この前こうなった時は、また戻ってくれたけれど、今度はどうだろう。
もしずっとこのままだったら、太陽が昇らなくなってしまったらどうしよう…。
古代の人にはそんなふうに感じられたことでしょう。

それが、この日を境に、太陽は低くなるのをやめ、再び高くなっていく。
冬至とは、いわば「太陽が復活する日」でもあるんです。

冬至をすぎた、ちょうど昨日から今日あたりは、まさに太陽が復活してくれたことを感じる時期とも言えますね。
なので、古来、世界各地でこの時期、冬至=太陽の復活を祝うお祭りが行われていたそうです。

そしてじつは、クリスマスがこの時期にあるのも、もともとは冬至のお祭りだったのが変化したのだ、といわれています。

そしてさらに、年越しという1年の区切り、新しい年の始まりがこの時期にあるのもまた、冬至の時期だから、なんですね。
(そういう意味では、英語で「Merry Christmas and a happy New Year」といって、クリスマスと新年を一緒くたに扱うのってある意味正しいのかもしれません)

クリスマスはもともと「太陽の復活」を祝うものだった。
それは、お祭りさわぎ的な要素ももちろんあるでしょうけれども、自然に感謝し、祈りを捧げるという意味もあったことでしょう。
いかがでしょう。そんなふうにクリスマスを味わってみるのもいいんじゃないでしょうか。


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と、そんな話題からスタートした2015年12月24日のSmile on Radio。
登場いただいたのは…



Today's Smile掛川市二の丸美術館 学芸員の須藤萌子さんをスタジオに。来年1月5日から開催される『大島司原画展』をご案内いただきました。

大島司さんといえばヒット作「シュート!」で知られるマンガ家です。1990年に少年マガジンで連載スタート。1993年にアニメ化、翌年には実写映画化(主演はSMAP)され、Jリーグ開幕(1993年)とも重なって、日本サッカー界に一大ムーブメントを巻き起こした作品です。

ぼくはちょうど連載が始まったころの少年マガジンを毎号読んでいて、「ほう、新しくサッカーのマンガがはじまるのか…おお、掛川が舞台か!」と感銘したことを今も覚えています。大島司さんは掛川出身で、現在も掛川を舞台にしたバレー漫画「アタック!!」を連載中です。

大島さんがデビュー25周年を迎えた事をきっかけに、ご自身が、故郷の力になりたいと、掛川での展示を強く希望されたことが開催のきっかけだそうで、嬉しいことですね。さらに、今年は掛川市制10周年(大東・大須賀が掛川市に合併して10周年)。まさに記念となる展覧会です。

大島さんの原画が美術館で展示されるのは今回が初めて、さらに二の丸美術館としても、開館17年目にしてマンガの原画展は初。原画だけでなく、アニメのセル画や映画の台本、仕事机も展示され、マンガ制作の現場の様子も伺えます。

大島さんの計らいで「原画にさわれる」コーナーもあるそう。印刷されるとフラットになってしまうマンガの原画がどのようになっているか、スクリーントーンを重ねた厚みや、ホワイトを散らした様子など、まさに「生の原稿」をリアルに感じることができます。

また、開催に合わせて「アートコラボ大作戦・スタンプラリー」を開催。期間中、まちなかと美術館および周辺施設どこかの5カ所に「シュート!」の登場人物たちの等身大パネルが出現。パネルにある言葉をすべて集めてコラボマップに記入して提出すると、抽選で大島司サイン入り色紙(当選者の名前入り!)が当たります。

さらには、掛川の名産品と「シュート!」がコラボレーションしたオリジナルグッズを美術館で販売。偶然にも主要登場人物と同じ名前の「平松のあられ」や、特産深蒸し煎茶は主人公の高校のユニフォームにあわせた赤い「シュート缶!」入りです。是非ゲットしてください。

開催期間は2016年1月5日(火)~2月14日(日)。開館時間は:9:00〜17:00(入館は16:30までにお願いします)、月曜休館。観覧料は200円/小学生、中学生は無料!。お隣のステンドグラス館とのセット券や、掛川城を併せた3つの文化施設をまわることのできるセット券もあります。ぜひ足をお運びください!


Happiness Style
浜松調理菓子専門学校・渡邊貴美子先生に「冬の薬膳/体を温める炊き込みご飯」を教えていだたきました。本格的な冬に向かっていくこれからの季節にうれしい、身体を温めてくれる食材をつかった炊き込みご飯です。

「薬膳」というとなんとなく難しそうなイメージを持ってしまいがちですが、使う食材も調味料もごく身近なもの。今回は鮭をメインに、カブや舞茸をチョイス。作り方もとっても簡単です。ポイントは、ご飯を焚くとき、具材はご飯の上にのせるだけで混ぜないこと。ぜひお試しを!

浜調さんではオープンキャンパス(体験入学)を展開中。次回は1月16日 (土) の開催です。詳しくは公式サイトをご覧ください。また、バレンタインデーには卒業作品展が。催し物たくさん、毎年大人気のイベントですよ!

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『My Choice Time〜天の光はすべて星』
今年のクリスマスは、満月の時期と重なりました。明日が満月です。
そこで今日は月について。月の謎、そして月の呼び名についてのお話でした。

親惑星とのサイズ比が太陽系内で他に例がないほど大きいこと、どのようにしてできたかの起源がいまだによくわからないこと、などなど、いまだ多くの謎にみちていながらも、とても身近な存在である月。

わけても日本人はお月様が心底好きなのではないか、と思うのが、月には満ち欠けの状態によって、いろいろな呼び方があることです。

とくに満月の二日後から五日後にかけての呼び名が面白くて、立待月(たちまちづき)〜居待月(いまちづき)〜寝待月(ねまちづき)〜更待月(ふけまちづき)と続いていきます。

月の出は毎日およそ50分ずつ遅くなっていいきます。その遅くなっていく月の出を、立って待っていたのが、座って、そして寝て待つようになり、ついには夜更けまで待っている…と、月の出の変化がうまく言い表されてれている呼び名です。

そして、むかしの人は、月をとても気にしていていつもよく見ていた、そして月が出てくるのを待っていたんだな、ということが感じられますよね。

現代に暮らすぼくたちは、日の出・日の入りの変化は日常会話にもよく使う(「日が短くなってきた」など)ほどですが、月が出る時刻の変化を気にしたり、あるいは月がのぼってくるのを待つ、こういう感覚はほとんどなくなっています。

また、スイッチひとつで日中のような明るさが簡単に手に入るいま、月の満ち欠けによる「夜の暗さの変化」を感じることも少なくなりました。

夜イコール暗闇だった時代に「月明かり」というものがいかに大きな存在だったか。
やけに「待っている」かんじの月の呼び名は、そこからきているのかもしれません。

ホワイトクリスマスならぬ「フルムーン・クリスマス」。
現代ではごく些細なことかも知れない、でも、むかしはとっても重要だった、月が出る時刻や月の明るさ。いかがでしょう。そんなことを思いながら、夜空を見上げてみませんか。

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であであ、
お聴きいただいたみなさま、ご出演いただいたみなさま、ありがとうございました!
また来週〜〜(^-^)ノシ

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