とむさん的日々

さてさて、FMハロー Radio H、「とむさん星空ノート」。
今週は、夏の王者ともいわれる星座、さそり座についてのお話でした。

さそり座にまつわる物語。ひょっとしたら星座にまつわるお話のなかで、いちばん有名かもしれませんね。

「天下に自分ほど強いものはいない」とおごりたかぶった狩人オリオンに怒った大地の女神（ゼウスのお妃ヘラだというパターンもあるようですが）が放ったサソリ。
さしものオリオンもサソリの猛毒にはかなわず、息絶えてしまった・・・というもの。
今でもさそり座が東の空から昇ると、オリオン座は逃げ去るように西の空に沈むだ、といいます。

このお話はギリシャ時代のものではなく、かなりのちの時代になって作られたらしいといわれていますが、オリオン座とさそり座がちょうど180度離れていて、同時に見ることができないことを神話に結びつけたもの。
よくできた話だと思いますねえ。

また、このサソリを放ったのは、月と狩りの女神アルテミスである、ともいいます。

アルテミスに恋心をいだいたオリオン、あろうことか彼女に乱暴をはたらこうとしてしまう、それで怒ったアルテミスが蠍を使って殺してしまった・・・

あるいは、恋人であるはずのオリオンが別の女神とねんごろになった（ようするに浮気ですね）のをアルテミスが妬んだからだ、というお話もあったり。

そもそも、オリオン座には、この二人の恋仲を快く思わないアポロンの計略で、アルテミスは愛するオリオンを、そうと知らずに自らの矢で射殺してしまう、という物語があります。
嘆き悲しむアルテミスの願いをゼウスが聞き入れて、オリオンは星座になった、というお話、オリオン座の回にご紹介しました。

このあたり、オリオンとアルテミスのあいだには愛憎が入り交じっているんだなあ、という気がしますねえ。

さて、夏の宵、南の空のひくいところ。
ぜひ、さそり座、さがしてみませんか。

このサソリを放ってオリオンを殺したのは、大地の女神だったのか、それともアルテミスだったのか・・・。
そんなことを思い浮かべながら夜空をながめてみるのも、この忙しい毎日、貴重なひとときになるかもしれませんよ。